とっつあんの回


 ナミさんの魅力と言うと性格の良さからスタイルの良さまで沢山浮かびますが、それらを語る上でどうしても欠かせないのは、そんじょそこらの小娘とは違う8年間を経験したことでしょう。

 21巻の191話『天候を操る女』。この回で言ったナミさんはこう言いました。

 「これでも泥棒やってた8年間。どんな死線も一人でくぐり抜けてきた。その辺の小娘達と一緒にされちゃ、たまんないのよね!」

 はい、たまんないです。これは『アルプスの少女ハイジ』の「おじいちゃん!クララが立ったよ!」より衝撃的だったし、『ルパン三世〜カリオストロの城〜』のとっつあんがラストでクラリスに言った「ルパンは大変な物を盗んでいきました。それはあなたの心です」よりシビレました。

 泥棒やってた8年間、それはそれは辛かったでしょうが、ナミさんは決してそれを後悔してません。最後まで希望を捨てずにたった一人でココヤシ村を救おうとしたのです。ココヤシ村編は僕はもう常時ハンカチはみはみしながら読んでたほどで。

 逆に言えば、この8年間があったからこそ今のナミさんがいるんです。辛い8年間をものともせずに明るい笑顔を見せてくれるナミさんだからこそ、たとえヒステリックになったり突っ込みが激しくてもどこか許せるところがあって、それはそれで可愛いく見えてしまうのだと。

 ナミファン的にはアーロンは憎むべき存在なのかもしれません。ですが、今のナミさんを見ると本当に憎むべきなのか戸惑います。

 今のナミさんの航海術の右に出る者がいない事や、たくましい性格になれたのも、元はと言えばこの8年間を乗り越えたおかげ。だからある意味では、僕はアーロンには感謝してます。

 もちろん、ベルメールさんを殺したことや、ナミさんを無理矢理監禁してまで海図を書かせたこと、1億ベリーのことで騙したことや、忌まわしいタトゥーをナミさんに入れさせたことは決して許せませんが。

 ナミさんはアーロンに無理矢理海図を書かされたけど、それでも世界地図を書くという夢を捨てなかった事には胸が熱くなりました。はっきり言って、海賊王になるよりも困難な夢ですよこれ。それでも夢をあきらめなかったナミさんには惚れ直さずにはいられません。

 ここからは個人的見解になるんですが、『ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)』が世界一のお宝だとするなら、それを示す宝の地図は、ナミさんが8年前に書いたココヤシ村の地図だと思うわけですよ。

 つまり、ワンピースはココヤシ村だと。もっと言えばココヤシ村を含めた村人全員が大切な宝物です。それが僕の中のワンピース。

 

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