15回目の夏。 季節は初夏が終わりを迎え、気温がぐんぐんと上がり始めるとき。 夏生まれの僕は、夏が好きで、だけど少し苦手。 暑い中で一日中、走り回ってる子供達。 数年前までは自分も同じことをしていたんだなと、時間の流れの速さを知った。 最近は暑さのせいで少し夏ばて気味。 家の近くの林をのんびりと、涼みながらの久々の散歩。 それでも汗がじんわりとにじんできた。 ジージーと鳴く蝉の声を聞きながら、あてもなく歩を進める。 確か、蝉は成虫になるまでに土の中で14年間も過ごして、この世で一週間ばかし謳歌して死ぬんだと、近日テレビで言っていたっけ。 とゆうことは、今年の蝉は僕と同い年か。 今煩く鳴いている蝉達は暗いくらい土の中で、寂しくはなかったんだろうか。 寂しかったから今、こんなにも寂しかったと大声で鳴いているのか。泣いているのか。 それとも、暗いくらい土の中から出てこれた嬉しさを、大声で歌っているのか。喜んでいるのか。 僕も蝉になってみたいと、少し血迷った。 蝉がかっこいいと、少し思った。 かっこいい生き様だと、少し思った。 こんなに気持ちよく生きられたらどれだけ気持ちがいいんだろう。 どれだけ自分を誇れるんだろう。 そう思ったんだけど、やっぱり人間のエゴでしかないと思ってしまって、やっぱり僕は人間なんだと悲しくなった。 この結論に持っていってしまうのは僕がまだまだ子供な証拠で、未熟な証拠だ。 死ぬまでに、ちょっとでも今の僕から成長は出来ているだろうか。 短絡的な思考でしか物事を判断できない僕は、それでもいいかと溜息をつく。 僕は僕でしかないけど、でもちょっと蝉みたいに世界を謳歌できるように努力してみよう。 さぁ、背筋をしゃんとして、まっすぐに帰路につこう。 蝉よりも長い長い時間がある僕は、きっと蝉よりも世界を謳歌できるよ。 何も根拠がないことを信じるのは、きっと悪いことじゃない。 帰路についた僕の耳に響いた、同い年のはずの蝉の声は、妙に大人びていた気がする。 来年の僕の耳に響く蝉の声が、今年よりも少しだけ、童謡のように聞こえるように。
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